全日本吹奏楽コンクール。それは1年に1度開催される吹奏楽の祭典にして勝負の日。人々は全国金賞の栄光を手にするために魂を燃やし日々血のにじむような練習を続ける。それは最高の演奏を最高の舞台で届けるために。歓喜の声も涙もすべて、青春の1ページ ――――
みなさんこんにちは、吹奏楽コンクールは中2の頃に北海道吹奏楽コンクールで金賞を受賞したことが一番の思い出な夢咲すずです!
ところで、みなさんは「コンクールといえばこれ」というものはありますか?
青春、とか思い出に関することを思い浮かべる方も多いかと思います。私の在籍していた学校でもコンクールのために強化合宿をしたりしました。私は朝がとても苦手なうえにとにかくマイペースな人間なので、集合時間に遅れたりシャワー上がりのびちゃびちゃな髪で練習に参加しようとしたりしたアホな思い出があります。
そんな青春の日々もいいですが、私が「吹奏楽コンクールといえばこれ!」と考えているものはやっぱり……。
課題曲ですよね!
吹奏楽コンクールの課題曲は毎年指定される5つの曲から1つを選択して演奏するシステムなので、かなりの確率で他の団体と選曲が被ることになり、がっつり比較されて審査されることになる。なので限りなく完璧に近い演奏をするために根詰めた練習をすることになり、結果的にかなり鮮明に記憶に残ることになる、というわけですね。
また、課題曲に指定されるだけあって、ひとつの吹奏楽曲として見てもかなりクオリティーの高い作品が多く、演奏会のプログラムに組み込まれることもよくありますよね。
しかし、何年も続く吹奏楽コンクールでそのたびに生み出されてきた課題曲。
作曲家のみなさん、そろそろネタ切れしてきてないですか?
なんの根拠もなくこのようなことを言っているわけではなく、実際、課題曲のマーチはそのパターン化から「課題曲マーチ」という単語で一部の人から揶揄されることもあります。また、曲名もたまに似たようなものが出てくることもありますよね。例を挙げると2005年のマーチ「春風」と2017年マーチ「春風の通り道」のような。ちなみに2015年にはマーチ「春の道を歩こう」という曲もあります。
ただ、勘違いしないでいただきたいのは、作曲家の方々は全く悪くないです。そもそも現在この世界には何千何万と数えきれないほどの数の曲が存在しており、類似した点のない全くのオリジナルを新たに生み出すことはほぼ不可能です(音楽に限らずこの世のありとあらゆるものに当てはまる話ですね)。
では、発想を転換してみましょう。
似たような部分のある作品が多いのならば、類似点を分析して適当に並べたら「ありそうでない課題曲」ができるのでは?
もし上手くいったら未来の課題曲の予言者になれるかもしれません。そうと決まればいざ実行!
分析してみる
残念ながら私には吹奏楽曲の作曲が行えるような知識と能力は無いので、今回は曲名について分析して、ありそうでない曲名を作っていこうと思います。
全日本吹奏楽連盟のHPに課題曲の一覧があるので、これを見ていきしょう。
1940年度から現在までのすべての課題曲を分析するのはさすがに大変なので、今回は現在の形式に近い「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ(大職一のみ)」の形式になった2003年度からの18年分、90曲のデータを見ていくことにします(ちなみに、高校もⅤを選択可能になったのは2009年からです)。
それでは、よく使われる単語と傾向を分析していきましょう。
まずは、課題曲の曲名によく使われがちな「風」を含む曲を探します。
2004 Ⅰ 吹奏楽のための「風之舞」
2005 Ⅱ マーチ「春風」
2006 Ⅴ「風の密度」
2007 Ⅱ コンサートマーチ「光と風の通り道」
2008 Ⅱ マーチ「晴天の風」
2010 Ⅳ 汐風のマーチ
2011 Ⅳ 南風のマーチ
2015 Ⅳ マーチ「プロヴァンスの風」
2017 Ⅳ マーチ「春風の通り道」
全部で10曲ありました。割合にすると1/9。まさかここまで多いとは思いませんでした。
次に、「吹奏楽のための」か「吹奏楽のために」を含む曲を探します。これもよく使われる文字列ですよね。Primoのキャッチコピーも「吹奏楽のための総合ポータルサイト」ですし。
なんと、これが意外と多かったです。
2004 Ⅰ 吹奏楽のための「風之舞」
2006 Ⅱ 「吹奏楽のための一章」
Ⅳ 「海へ・・・吹奏楽の為に」
2008 Ⅳ 「天馬の道~吹奏楽のために」
2009 Ⅴ 「躍動する魂 ~吹奏楽のための」
2010 Ⅴ 「吹奏楽のためのスケルツォ 第2番」≪夏≫
2015 Ⅰ 「天空の旅 -吹奏楽のための譚詩-」
2017 Ⅴ 「メタモルフォーゼ~吹奏楽のために~」
2020(2021) Ⅳ 吹奏楽のための「エール・マーチ」
Ⅴ 吹奏楽のための「幻想曲」-アルノルト・シェーンベルク讃
全部で11曲。そのうち前につくパターンが5曲、後ろにつくパターンが6曲と、前後どちらにつくかは同じくらいの割合で存在していることがわかります。「ための」と「ために」は「ための」の方が8曲と多いです。
それでは、これらのデータを基に曲名を考えてみたいと思います!
なんて言ったはいいものの
難しい……。
というのも、「風」つきがち、「吹奏楽のための」つきがち、春がテーマになりがち、Ⅴは難しい単語使いがち、くらいしか傾向として取れそうなデータがなかったからです。似たような曲名の曲も多いですが、それ以上に様々な単語を使った曲名が多かったので傾向としてのデータではこれらを解析できなかったわけです。まあ、普通に考えて当たり前の話ですね。
とはいえ、私には無理でした。さようなら。で終わってしまうとあまりにもクソ記事すぎるので、何か別の方法と組み合わせて考えたいと思います。様々な単語をランダムに選べる方法……。
これだ!!!

こちらの単語ガチャというサイトを使ってみたいと思います。完全にランダムに単語を排出してくれる、私のようなアイデア枯渇人間にとっては素晴らしいサービスです。
それでは、レッツ10連!
さらにもう10連!
ラスト、もう10連!
そして、これが私の考えたありそうでない課題曲だ!!!
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20XX年度 吹奏楽コンクール課題曲
Ⅰ 吹奏楽のためのストップモーション
Ⅱ マーチ「バーチャル・ハイキング」
Ⅲ 「トレミーの四十八星座」
Ⅳ 行進曲「春風の人工島」
Ⅴ 直立不動のニーチェ放浪記 ~焼き魚~
……いかがだったでしょうか。
検証の結果、私には課題曲の作曲はおろか曲名をつけるセンスすらないことがよくわかりました。しかも最後は単語ガチャに頼るなんて、ネタ切れしていたのは私の方だったようです。大口叩いてごめんなさい。もし私が学生最後のコンクールの年でこんな曲名の課題曲が発表されたらスティックを放り投げて出場を辞退するところでした。
とはいえ、こういう挑戦的な曲名の吹奏楽曲が1つくらいあっても楽しそうな気はするので、もし私が吹奏楽曲を作ることがあったらこの中のどれかを採用することがあるかもしれません。個人的には「トレミーの四十八星座」が気に入りました。天文学とかギリシャ神話大好きなので。
ということで、今後も吹奏楽コンクールの課題曲には目が離せませんね。もしかしたら遠い未来、私の考えた曲名に近い課題曲が発表されて予言者になれる可能性もゼロではないので、そんなわずかな希望に身をゆだねることにします。
それでは、また!
前頭前野ストップモーションっていうボカロ曲、ありそう。